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臨床研修

臨床研修カリキュラム

[基本研修科目]
救急医療

研修スケジュール
概要
本研修プログラムは、卒後臨床研修プログラム基本研修科目の救急医療に関するカリキュラムである。救急医療の基本的な知識と技術を研修し、また、救急患者の的確な病態把握と初期治療を研修する。心肺蘇生法の研修は必須事項となるが、研修期間中にACLSやBLSの概念について理解し、技術を習得する機会を設ける。救急患者のトリアージ、重症度判定、鑑別診断を習得し、適切な初期治療を行うことが目標となる。
いっぽう、当院は長野県北部に位置しており、飯山市・下高井郡・下水内郡を主な医療圏として地域に根ざした地域完結型の診療をおこなっているが、救急医療においては、一次から二次までを担っている。年間16,000件余の時間外受診があり、2,000名弱の入院がある。緊急性のない時間外診療も多く含まれるが、小児救急医療やCPA、多発外傷、脳血管障害、循環器疾患など、急性かつ重篤な症例も数多く見られる。冬季のスキー・スノーボード外傷をはじめ、夏季合宿・行楽などに伴う事故や病気・けがへの対応も重要となる。救急外来診療は質・量とも豊富であり、臨床経験を積むうえではきわめて有利な環境ということができる。さらに専門性を高めていくうえでは、信州大学救急部との連携において、信州大学初期臨床研修プログラムおよび救急医療後期研修プログラム(4~6年間)、集中治療後期研修プログラム(4~6年間)にそった研修についても視野に入れておくとよい。
麻酔科研修、集中治療(ICU))研修との組み合わせで、効率のよい研修を実施する。

各研修スケジュール表
救急医療に関わる3ヶ月の研修期間中に、希望する各科での選択研修を組み合わせて実施できるよう配慮する。
1) 初期1週間
オリエンテーション
(救急医としての心構え、救急診療概論、救急・集中治療集中レクチャーなど)
2) 2週目より3ヶ月まで
救急外来患者・集中治療室の入院患者の診療研修(夜勤時間帯の研修を含む)

週間スケジュール表(担当医・指導医間で協議中)
1) 急患者、緊急手術、緊急検査には随時立ち会う。
2) 副当直として夜勤時間帯の研修を週1回以上行う。

研修目標
1. 一般目標(GIO: General Instructional Objectives)
 
1) 救急現場における救急医療を研修する。
消防局のトリアージにより救急車搬送される患者の初療を研修する。迅速かつ的確な初期治療を行うための実地研修を主とする。
2) BLS/ACLSを研修する
a)BLSを習得し、実際の救急初療の場で研修する。
b)ACLSを習得し、実際の救急初療の場で研修する。
3) 重症患者の救急集中治療に必要な基本的知識の習得を研修する。
2. 行動目標(SBO: Specific Behavior Objectives)
 
A. 経験すべき診察法・検査・手技
 
(1) 基本的救急診療能力
a) 問診のさいに患者との間に良いコミュニケーションを保ち、総合的かつ全人的にpatient profile をとらえることができるようになる。病歴の記載は、問題解決志向型病歴(POMR:Problem Oriented Medical Record)を作るように工夫する。
  1)主訴
2)現病歴
3)家族歴(異常瘢痕、創傷治癒を阻害する疾患)
4)既往歴(異常瘢痕、創傷治癒を阻害する疾患や薬剤)
b) 救急初療診察法
  1)バイタルサイン
2)意識状態の把握
3)内因性疾患の診察法
4)外因性疾患の診察法
(2) 基本的救急臨床検査
  救急初療診療に必要な種々の検査を実施あるいは依頼し、結果を評価して患者・家族にわかりやすく説明することができる。それぞれの病態で禁忌である検査法、避けた方が望ましい検査法があることを十分に理解する。
 
(A) :自ら実施し、結果を解釈できる。
(A) 以外:検査の適応が判断でき、結果の解釈ができる。
a) 放射線検査
 
1) 単純X線検査 (A)
2) X線CT検査 (A)
3) MRI検査
4) 造影検査
5) 生理学的検査
b) 臨床検査
 
1) 血液検査・生化学検査
2) 12誘導心電図
3) 凝固機能検査
4) 感染症検査
(3) 基本的治療法
  救急初療診療に必要な基本的治療法の適応を決定し、適切に実施することができる。
薬物の作用、副作用、相互作用について理解し、薬物治療(抗菌薬、副腎皮質ステロイド剤、解熱薬、麻薬を含む)ができる。特に年齢、病態に合わせた投薬の問題、治療をする上での制限等について学ぶ。薬剤の添付文書の記載を理解し、副作用を常にチェックする。また相互作用、病態による投薬の制限、禁忌などを理解する。
 
1) 処方箋の発行
1.薬剤の選択と薬用量
2.投与上の安全性
2) 注射の施行
1.皮内、皮下、筋肉、静脈、中心静脈
3) 副作用の評価ならびに対応
4) 療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)
5) 基本的手技
気道確保、人工呼吸、心マッサージ・ドレーン・チューブ類の管理・創部消毒とガーゼ交換・皮膚縫合
  などが実施できる。
B. 経験すべき症状・病態・疾患
  救急初療診療に必要な種々の検査を実施あるいは依頼し,結果を評価して患者・家族にわかりやすく説明することができる。それぞれの病態で禁忌である検査法,避けた方が望ましい検査法があることを十分に理解する。
 
(1) 頻度の高い症状
 
1) 失神*
2) めまい*
3) 呼吸困難*
4) 胸痛・腹痛
5) 痙攣発作
*自ら診療し、鑑別診断を行うこと。
(2) 緊急を要する症状・病態**
 
1) 心肺停止
2) ショック
3) 意識障害
4) 脳血管障害
5) 急性呼吸不全
6) 急性心不全
7) 急性冠症候群
8) 急性腹症
9) 急性消化管出血
10) 急性腎不全
11) 外傷
12) 急性中毒
13) 熱傷
**自ら経験、すなわち初期診療に参加すること。
(3) 経験すべき疾患
  (理解しなければならない基本的知識を含む)
 
1) 脳・脊髄血管疾患
2) 循環器疾患
3) 呼吸器疾患
4) 消化器疾患
5) 精神科疾患
6) 薬物中毒
C. 救急医療研修項目(SBOのBの項目)の経験優先順位
 
(1) 経験優先順位第一位(最優先項目)
  心肺停止患者の初療・鑑別診断、治療計画の立案
多発外傷患者の初療・鑑別診断、治療計画の立案
 → 外来診療もしくは受け持ち医として合計経験し、1例についてレポートを提出する。
 → 必要な検査についてはできるだけ自ら実施し診療に活用する。
(2) 経験優先順位第二位項目
  薬物中毒の初療、検査・診断、治療計画の立案
 → 受け持ち患者として症例があれば積極的に経験する。
(3) 経験優先順位第三位項目
  脳血管疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、精神科疾患の初療、鑑別診断、治療計画の立案
 → 機会があれば積極的に初期診療に参加し、できるだけレポートにまとめる。
3. 指導体制(研修医に対する研修・カリキュラムの質の保証を明示します。)
1) 指導医条件
7年以上の臨床経験を有し、救急外来の業務に携わっている医師
 
名前 卒業年度 専門領域 認定医等
藤本 和法 平成10年 救急科 日本救急医学会救急科専門医
2) 指導医1人に対する研修医数
原則として1人までとする