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臨床研修

臨床研修カリキュラム

[選択科目]
臨床検査

研修スケジュール
概要
検査部において実際のルーチン検査を行うことと、手術や生検・細胞診、剖検で得られた組織や細胞の検体処理方法を習得した上で、出来上がった検体に対して臨床情報を参考にして病理診断を行うことが主体となる。病理検査(外科病理学)では、病理診断とともに病変部位の肉眼的、組織学的記載、記録方法を学ぶ。得られた検査結果を基に常に指導医とdiscussionし、患者の病態を検討する。検査部で得られた検査から総合的に判断するが、必要があれば、主治医とcontactをとり、臨床所見を交えて、患者の病態を検討する。また、検査の助言を行う。
各研修スケジュール表
3ヶ月研修の場合は、以下のセクションを1~2週間毎にローテーションする。
・血液検査(血算、血液塗沫検査、凝固検査など)
・化学検査
・細菌検査
・病理検査
・一般検査(尿・便検査など)
・血清検査
・生理検査
1ヶ月の場合は、以下のセクションを適宜ローテーションする。
・一般検査(尿・便検査など)
・血液検査(血算、血液塗沫検査、凝固検査など)
・化学検査
・血清検査
・細菌検査
・病理検査
病理検査(外科病理学)は、水および金曜日を中心に研修を行うこととし、次の通りとする。
1ヶ月または3ヶ月の研修とする。その間に、検体の提出状況に合わせて適宜以下の項目を行なう。
(1) 組織検体の固定、写真撮影、切り出し、標本作製、検鏡、組織診断を行う。
(2) 細胞検体の標本作製、固定、染色、検鏡、細胞診断を行なう。
(3) 病理解剖に参加し、組織検体と同様に検体を処理し、剖検診断を行なう。さらにCPCに参加してレポートを作成する。

週間スケジュール表
  午前 午後
検査の実施 検査の実施指導医と検討
検査の実施 検査の実施指導医と検討
検査の実施 検査の実施指導医と検討
検査の実施 検査の実施指導医と検討
検査の実施 検査の実施指導医と検討

(1・3以外)
検査の実施指導医と検討  

研修目標
1. 一般目標(GIO: General Instructional Objectives)
 
1) 臨床検査の医療・医学における実践・寄与の実際を認識する。
2) 医師として必要な緊急検査を含めた検査技術が習得できる。
3) 医師をして必要な臨床検査の意義を系統的に理解し、解釈ができる。
4) 外科病理検査の医療や医学における実践・寄与の実際を理解する。
5) 医師として必要な外科病理検査の意義を取得する。
2. 行動目標(SBO: Specific Behavior Objectives)
 
A. 経験すべき診察法・検査・手技
 
(1) 基本的臨床検査を用いた病態解析能力
1) 臨床検査の意義と限界の理解
  個々の臨床検査の意義と限界を十分に理解し、一つの検査のみにとらわれることなく、検査全体を通してどのような病態が考えられるかを総合的に判断できる能力を身につける。
2) 検査の選択と成績の解釈
 
(a) 臨床的役割からの分類をし、適切に使用できる
スクリーニング検査、日常検査、緊急検査、特殊検査、外来検査、入院検査、患者自己測定検査。
(b) 検査方法からの分類をし、適切に使用できる。
検体検査、病理形態検査、生理機能検査、超音波・放射線・内視鏡などの画像診断検査。
(c) 感度、特異度、予測値、カットオフ値、ROC曲線の理解。
(d) 費用と効果分析、利点と危険の評価、インフォームドコンセントができる。
(e) 検査結果の表現形式の理解:検査報告書、SI単位、標準化。
(f) 個々の検査データと組み合わせ検査の考え方を理解する。
(g) 意志決定レベルと異常値、パニック値および境界値の理解。
(h) 基準値の概念、集団の基準値と個人の基準値の理解。
(i) 基準値の決め方および臨床検査データ処理の理解。
(j) 生理的変動:年齢的変動、性差、日内・日差・季節変動、体位・運動・食事・薬物などの影響が考慮できる。
(k) 検体を適切に取り扱うことができる。
(l) 測定値の技術的変動:正確度、精密度の理解
(m) 成績管理の必要性と検査精度の許容限界の知識がある。
(n) 基本的外科病理検査を用いた病態解析能力
 
1. 外科病理検査の意義と限界を理解する。
個々の外科病理検査の意義と限界を十分に理解し、一つの検査のみにとらわれることなく、検査全体を通してどのような病態が考えられるかを総合的に判断できる能力を身につける。
2. 癌や炎症等、基本的な病変に関する組織及び細胞所見を理解する。
(2) 基本的臨床検査
  主な臨床検査を実施することができ、結果を十分に理解し、診断・コメントが必要な検査報告書を発行できる。実施しない検査においても、検査の意義を十分に理解し、臨床医に検査結果を伝えることができる。
1) 一般検査
 
1. 尿検査(肉眼所見、尿量、比重、浸透圧、pH、尿蛋白、尿糖、ケトン体、ビリルビンとウロビリノーゲン、アミラーゼ、尿潜血、尿沈渣)の実施と解釈
2. 便検査(肉眼的所見、便潜血反応、寄生虫・細菌検査)の実施と解釈
3. 髄液検査(髄液圧、肉眼所見、蛋白、糖、クロール、酵素、細胞数と分画)の実施と解釈
4. 穿刺液検査(肉眼所見、比重、蛋白、糖、酵素、細胞数)の実施と解釈
2) 血液検査
 
1. 検体の取り扱いが適切にできる。
採血行為、採血の種類、抗凝固剤、輸送・保管法
2. 血液一般検査(赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値赤血球恒数、白血球数、血小板数、赤血球沈降速度)の実施と解釈
3. 血液形態検査:末梢血液像、骨髄像、網赤血球、LE細胞の実施と解釈
4. 血液凝固検査(PT, APTT, Fibrinogen, FDP, plasminogen, ATIII, TAT, PIC)の解釈ができる。
3) 化学検査
 
1. 検体取り扱いができる。
検体採取法、輸送・保管
2. 蛋白質:総蛋白、蛋白分画、アルブミン、グロブリン分画、フィブリノーゲン、ハプトグロブリン、トランスフェリン、免疫グロブリン、Bence Jones蛋白、α1-アンチトリプシン、α2マクログロブリン、α1ミクログロブリン、β2ミクログロブリン、CRP, SAP.の解釈ができる。
3. 含窒素成分・生体色素:BUN, Creat, UA, NH3, Bilirubin,の解釈ができる。
4. 糖質および糖代謝産物:glucose, HbA1c, furctosamineの解釈ができる。
5. 脂質および脂質代謝関連物質:Cholesterol, TG, phospholipid, HDL-cholesterol, lipoprotein, apoprotein, FFA, keton bodyの解釈ができる。
6. 酵素:LDH, AST, ALT, ALP, LAP, γ-GTP, ChE, AMY, CK, ACP, ACEの解釈ができる。
7. 水・電解質・酸塩基平衡:水、Na, K, Cl, Ca, P, Mg, 血液ガス分析、浸透圧の解釈ができる。
8. ビタミン・微量金属:ビタミンA, B12, C, D, K, 葉酸、Fe, TIBC, UIBC, Ferritin , Cu, Mg, Znの解釈ができる。
9. ホルモン検査の解釈ができる。
4) 微生物検査
 
1. 感染症の種類の理解ができる。
法定伝染病、届出伝染病、市中感染、院内感染、日和見感染、輪入伝染病、その他の特殊な感染症。
2. 微生物の種類と増殖条件に対する知識を有する。
病原菌と非病原菌、常在菌叢、滅菌と消毒。
3. 感染症検査の基礎知識を有する。
感染症診断法の概略、細菌感染症の検査法、検体の採取法、輸送・保管法。
4. 検体の肉眼的観察、各種染色・鏡検法、その他の迅速簡易同定法ができる。
5. 増菌培養、分離培養、定量培養、同定法、嫌気性菌の検査法、抗酸菌検査法、自動化、核酸ハイブリダイゼーション法の基礎知識を有する。
6. クラミジア、マイコプラズマ感染症の検査法の知識を有する。
7. ウイルス、リケッチア感染症の検査法の知識を有する。
8. 真菌感染症の検査法の知識を有する。
9. 原虫・寄生虫感染症の検査法を指示し解釈できる。
10. 検体別検査法と臨床的意義が理解できる。
血液、髄液、喀疾、咽頭分泌物、膿汁、糞便、尿、胆汁、泌尿・生殖器分泌物、各種カテーテル等の医用器材。
11. 薬剤感受性検査法の種類の知識を有する。
12. 化学療法の適応、化学療法薬剤の種類、菌種別耐性
菌の頻度に対する知識を有する。
13. 体液中化学療法薬剤濃度測定法の知識を有する。
14. 院内感染防止のための微生物検査(環境感染)の指示ができ解釈できる。
5) 免疫血清検査の検査法
 
1. 検体の採取法、輸送および保管法ができる。
2. In vitoroの抗原一抗体反応(免疫血清反応)の分類の知識を有する。
沈降反応、数集反応、補体結合反応、中和反応、Radioimmunoassay(RIA)・Enzyme immunoassay (EIA), 免疫組織(化)学反応、自動分析磯器による免疫学的検査。
3. 免疫担当細胞、免疫腰器の検査の解釈ができる。  
白血球数、末梢血液像、骨髄像、LE細胞、リソパ球芽球化反応、リンパ球表面形質検査(E-ロゼット、CD分類など)、免疫臓器の形態学的検査。
4. 免疫グロブリンの検査の解釈ができる。
血清蛋白電気泳動法、免疫電気泳動法、各種免疫グロブリン定量、thermoprotein、レアギン検査(RASTなど)、感染免疫抗体など(梅毒血清反応、Widal反応、Weil-Felix反応、Paul-Bunnell反応、ASO、ASK、寒冷湊集反応、マイコプラズマ抗体、トキソプラズマ抗体、HTLV-・抗原・抗体、H・(HTLV-・)抗原・抗体、HAV抗原・抗体、HBV抗原・抗体、HCV抗体、その他のウイルス抗体など)、各種自己抗体(リウマトイド[RA]因子、抗核抗体、抗DNA抗体、抗RNP抗体、抗Sm抗体、抗ミトコソドリア抗体、抗平滑筋抗体、抗サイログロブリン抗体、抗ミクロゾーム抗体、抗赤血球抗体(直接・間接Coombs試験)、その他の自己抗体。
5. 補体の検査の解釈ができる。
補体価(CH50)、補体成分蛋白の定量、免疫複合体。
6. その他の免疫血清検査の解釈ができる。
In vitoroの反応(ツベルクリン反応、DNCB皮庸テスト、アレルギー性疾患の皮膚反応、誘発テスト)、モノクトーナル抗体、、フローサイトメトリー、各種腫瘍マーカー(AFP、CEA・CA-19-9・CA-125、炎症マーカー(急性相蛋白)、好中球機能検査、細胞融合法、ブロッティング法(Southern・Nothern・Western blotting)
6) 生理学検査
 
1. 心臓超音波診断装置の操作ができる。
2. 心電計の計測ができる。
3. 筋電計、脳波計を指示し、解釈できる。
4. 簡易肺機能検査(バイテラー)ができる。
5. 精密呼吸機能を指示し、解釈ができる:フロー・ボリューム曲線、肺気量分画、残気量、気道の抵抗、血液ガス分析。
6) 外科病理学
 
(1) 外科病理学的検査法
1. 検査の依頼
外科病理検査の依頼書を作成する。
2. 検体の取り扱い方
外科病理検査の為の検体採取法、検体処理法(特に固定法)、搬送、保管法を習得する。
 
a) 検体採取法(擦過、汝印、洗浄、穿刺、パンピング、針吸引など)
b) 検体の種類(産婦人科領域、呼吸器系、胸水・腹水・尿などの液状検体、組織片のスタンプ、乳腺・甲状腺の針吸引、膵臓などの深部臓器のエコー誘導針吸引)
3. 病理組織標本の作製
手術や剖検で得られた検体の病変部位を適切に切り出し、染色を含めた検体の流れを理解する。
4. 病理検査報告書の作成
病理組織検査で日常的に経験する病変を観察し、報告書を作成する。
5. 術中迅速病理診断への参加
凍結迅速法の適応と有用性(本法の限界)を理解する。
6. 病理解剖への参加
病理解剖に参加し、剖検報告書を作成する。
7. CPCへの参加
実際に担当した剖検例をCPCに提示し、CPCレポートを作成する。
8. 細胞診
典型的な細胞像(悪性細胞と正常細胞)について、細胞診判定分類(Papanicolaou分類)を用いた細胞診断を行う。また、細胞診の有用性並びに限界についても理解する。
(2) 基本的外科病理学的検査項目
  下記の主な外科病理検査を実施し、その結果を十分に理解して、診断・コメントを付記した検査報告書を発行できる。
  1) 生検組織診
2) 術中病理診断(迅速組織臥迅速細胞診)
3) 手術切除標本診断
4) 細胞診(集検的細胞診、診断的細胞診)
5) 病理解剖
B. 経験すべき症状・病態・疾患
  検査部であるので特にない。
C. 臨床検査医学研修項目(SBOのBの項目)の経験優先順位
 
経験優先順位第一位(最優先)項目
  ・簡単に行える緊急検査の実施ができる。
・血液検査(血算、血液塗沫検査)、尿検査(試験紙法)、尿沈渣検鏡
・心電図、簡易肺機能検査、細菌塗沫検査外科病理検査の意義と限界を理解できる。
・外科病理検査の指示ができそれぞれの意義が解釈できる。
経験優先順位第二位項目
  ・検査項目(特に緊急検査)から病態解析ができる。
・血液検査、尿検査、化学検査、凝固検査、血液ガス分析、呼吸機能検査
・病理組織検査(生検、手術材料)
・病理解剖並びにCPCへの参加
経験優先順位第三位項目
  ・必要最低限の検査のオーダーができる。
・無駄な検査を省き、医療経済性を考えた検査のオーダーができる。
・術中迅速診断
・細胞診検査
D. 臨床検査科研修項目と「臨床研修の到達目標」との対応後日作成を依頼しますので、準備方ご検討願います。
   
3. 指導医条件
  1) 臨床検査
 
(1) 指導医資格
  5年以上の臨床検査の経験を有する日本臨床検査学会認定臨床検査医であること
(2) 指導施設資格
  上記の資格を見たす指導医が1人以上勤務し5年以上の臨床経験があること
(3) 指導医1人に対する研修医数
  原則として1人までとする
  2) 病理検査(外科病理学)
 
(1) 指導医資格
  5年以上の外科病理検査の経験を有する日本病理学会認定病理医であること
(2) 指導施設資格
  上記の資格を見たす指導医が1人以上勤務し、日本病理学会認定病院であること
(3) 指導医1人に対する研修医数
  原則として1人までとする