皆様は医学部進学時に地域医療へ興味を持たれたことから飯山市の医師奨学金貸与制度を利用され、医学の勉学に取り組まれていることと存じます。
現在、全国で医師の偏在が顕著となり、地域医療が危機に瀕しています。そのため多くの自治体では医師奨学資金貸与制度を制定し、地域医療に携わる医師の養成に努めています。
医師免許習得後の医師キャリア形成では、初期研修施設の選択、将来の診療科決定とそれに関連した専門的研修などいくつか転換点があります。
飯山赤十字病院は信州大学の関連施設になっています。そのため、長野県内の医師奨学資金貸与制度と同様に初期研修から、遅くとも後期専門研修からは信州大学をはじめとする長野県内プログラムの選択が望まれます。卒後6年以後に飯山赤十字病院へ赴任していただくにあたり、専門医取得などキャリアプランの幅を広げるためにも、このプログラムの選択を推奨します。地域医療ニーズに見合った診療科の選択はキャリアプランのためにも望まれます。
当院の理念は、高齢化と人口減少がすすむ北信医療圏において住民の皆様の健康や生活をまもる地域医療に取り組むことです。岳北地域(飯山市、木島平村、野沢温泉村、栄村)は、高齢化が進み、循環器、呼吸器、消化器系慢性疾患や脳血管障害、大腿骨骨折とそのリハビリなど、高齢者特有の疾患が増加しています。1日外来患者350人、入院患者220名。飯山赤十字病院は、許可病床284床(うち急性期病棟60床、包括ケア病棟120床、回復期リハビリ病棟 60床、療養病棟44床)のケアミックス病床を持ち、また二次救急病院、臨床研修協力病院, へき地医療拠点病院などの指定を受け、常勤医師22名、非常勤医師40名ほどの診療体制です。
二次救急医療では約1000台/年の救急車に応需し、外科では内視鏡下の低侵襲手術をおこない、整形外科では骨折手術の他、人工関節手術や脊椎手術も可能です。眼科では白内障から硝子体手術まで日帰り、入院手術で対応しています。消化器内科は、質の高い内視鏡診断と治療(ESDなど)や超音波内視鏡による膵臓癌診断に取り組み、脳外科は一次脳卒中センターとしてt-PA治療を行っています。また岳北地域の透析治療と訪問医療・看護も担っています。また、県指定でコロナ対応10床の運用、発熱外来やコロナ集団予防接種へ協力しており、まさに時代の課題に取り組む病院です。
皆様がキャリアを積まれるなかで当院での勤務は、価値ある経験になると存じます。
飯山赤十字病院 院長 岩澤 幹直
当院は、信州大学臨床研修プログラム、長野赤十字病院専門研修プログラム、富山大学臨床研修プログラムなどと緊密な関係にあります。飯山赤十字病院での勤務と希望されるキャリアプランとの調整は可能と存じます。
皆様のご将来についての相談に病院をあげて取り組みますので、まず当院総務課へのメールでお問い合わせをいただければ、飯山市担当と共に面談などに対応いたします。